広島県公立高校入試改革素案のポイント

AERAからの電話取材

 

先日、突然知らない番号から電話がありまして、

 

「誰だろう?」と思って出てみると、

 

「私、雑誌AERAの記者をしている○○と申しまして・・・」

 

と、おっしゃいます。

 

 

 

AERA?

 

ああ、あの朝日新聞系列の雑誌ね。

 

と、思い当たったのですが、なんでも

 

広島県公立高校入試の改革素案について、意見を伺いたいとのこと。

 

 

 

「なんで僕に?」

 

不思議に思い尋ねてみると、

 

HPにある「1から分かる広島県公立高校入試」というページから来てくれたんですって。

 

なかなかいいセンスをしていらっしゃる。^ ^

 

 

色々とお話させてもらいました。

 

ま、私の名前が出るかどうかは知りませんが、記事の参考になればいいですね。

 

 

 

広島県公立高校入試改革素案って何?

 

ここで知らない方に「広島県公立高校入試改革素案」について簡単に説明しますね。

 

今年の夏前ごろに突如浮上した話なのですが、

広島県の公立高校入試制度を改革しようという動きが

県教育委員会でありました。

 

そして、その第一弾となる素案が9月の中旬に公表されたのです。

 

 

それがこちら。

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/kyouiku/sennbatsu-soan-gaiyou.html

 

 

いやあ、この通りに進んだら、とんでもない改革です。

 

 

改革素案のポイント

 

さてさて。

今回の改革素案のポイントを4点挙げましょう。

 

 

① 選抜Ⅲの廃止 

  

② 選抜Ⅰ(推薦入試)の廃止

 

③ 各高校でアドミッションポリシーを策定した上で、学校・学科ごとに学力検査と調査書の比重を設定できる。

 

④ 生徒自身が自己PR文を作成して、それを元に受験者全員面接を実施

 

 

 

 

 

順に簡単な所見を述べますね。

 

 

 

① 選抜Ⅲの廃止

あ、これはどうでもいいです。

受験生の負担軽減とありますが、

私の指導歴では、選抜Ⅲを受験した生徒を知りません。

 

 

 

② 選抜Ⅰ(推薦入試)の廃止

これは衝撃でした。

まさか、推薦入試がなくなるとは。

フェイスブックのコメントで、

「学校できちんと真面目に取り組んできた子が評価されないのは如何なものか」

というコメントを見ましたが、そう考えるのも早計のようです。

なぜなら、↓③、④があるから。

 

 

 

 

③ 各高校でアドミッションポリシーを策定した上で、

学校・学科ごとに学力検査と調査書の比重を設定できる。

 

今回の素案で一番恐ろしいのはここです。

 

各学校で、学力検査と調査書の比重を設定できる、とあります。

しかも、調査書の教科対象の設定も学校・学科ごとにできるようです。

 

「学力検査:内申点=130:125」が一律に課せられた現行制度から考えると、

真逆の方策と言えるでしょう。

 

ということは、

極端に考えれば、例えば

ある学校は今まで通り、中1から中3までの内申点を9科目を入試得点に加算する一方で、

別の学校は、2年生と3年生の5科目の内申点だけを考慮する、

ということもありうるわけですね。

 

それも、

ある学校では

学力検査:内申点=9:1

で合否が出され、

別の学校では

学力検査:内申点=1:9

で合否が算出される。

 

 

どれがいいとか悪いとかの問題ではありません。

 

 

評価すべきは、多様な評価軸が設定されうるということです。

 

これまでの広島の制度では、

3年間学校できちんといい子でいられた生徒が優遇され、

それができなかった生徒には辛い制度でしたからね。

 

 

いや、もちろん優遇されていいのです。

ただ、そうでない評価軸の枠があまりにも狭すぎた。

思春期・反抗期の子ども達としては、

内申点を盾に自由を奪われていた感覚も大きかったでしょう。

 

また、

13歳(中1)の時の成績によって

15歳(中3)の時の受験校が制限される

という不思議な現象も少なくなると期待しています。

 

 

ぜひとも各学校は独自のアドミッション・ポリシーを設定して、

それに合わせた多様な評価基準を設定してもらいたいです。

 

色々な特徴を持った子が、それぞれに評価される枠組みの設定をお願いします。

 

 

 

 

 

④ 生徒自身が自己PR文を作成して、受験者全員面接を実施

 

見逃されがちですが、ここも大事です。

 

まず全員面接というのも、すごいですね。

推薦入試をなくす代わりということでしょうが、

それを補って余りある措置です。

 

 

そして、

今まで学校の先生が作成していた人物評価欄が廃止され

生徒自身が作成する自己PR文に変わります。

 

学校の先生の負担軽減でもあるでしょう。

 

けれど、効果はそれだけに止まりません。

 

 

学校外での活動も評価される対象となるということ。

中学生活に取り組んだ全てのものが、自分の財産として提示できるのです。

 

そう考えると、とても嬉しいですね。

ぜひ生徒のいいところをたくさん評価してやってください。

 

 

しかし、

一つ注意しなくてはいけないのが、

ほとんどの生徒はこの制度を上手に活用できる話が書けない

という事態が予想されるということです。

 

普通に学校生活を送っていただけでは、

この自己PR文が他の生徒と比べて、

傑出したものになるわけないですよね。

 

部活に積極的に取り組んだとか、

班の活動でリーダーシップをとったとか、

クラスのみんなと仲良くできたとか。

 

もちろん、それらはとても素晴らしいことです。

 

ですが、それはみんなが書けることです。

入試で有利に働くことはないでしょう。

 

 

この制度変更が真に有利に働くのは、本当に自分の活動に積極的に取り組んだ子だけ。

 

 

せっかく中学時代の全ての活動が評価される制度になるのです。

みんな、どんどん自分の活動に取り組んで欲しいですね。

 

私はそれを応援するし、その場をMoveが準備してもいいですよ。

 

楽しみです。^ ^

 

 

あ、

 

私としては、

「部活を辞めると、内申点に響くのでしょうか?」

 

なんていうくだらない心配がなくなるのも嬉しいです。

 

 

 

 

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以上、素案に対する私の所見でした。

 

何れにせよ、これからどんどん詳細が明らかになるでしょう。

そうすれば、また意見は変わるかもしれません。

今、広島県の教育は変革期です。

 

 Moveも時代に合わせた教育が行えるよう、進化していきますよ。

これだけ時代が動いているのに、教育だけ変わらなくていいなんてありえない話です。

 

 

 

 

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