塾の先生から見るスマホの危険性

携帯・スマホについて

 

携帯やスマホを持つ生徒はひと昔前に比べて格段に増えています。

 

中学生であっても、もうほとんどの生徒が持っていると言っていい。

 

高校生は100%ですね。

タブレットPCを購入するようになって、スマホやタブレットを持っていることが前提となった学習指導をしている高校もあります。

 

これに関しては賛否両論ありますよね。

 

まだ早いとか、安全上必要であるとか、持っていないと友達の話題に乗り遅れるとか。

 

 

Moveのスマホに対する姿勢なのですが、

 

 

是認です。

 

 

塾さんによっては、塾にスマホを持ち込むことを禁止するとか、教室に入った時にスマホを先生に預けるであるとか、そうした対策をとる場合もあるようです。

 

 

 

しかし、Moveではそんなことやりません。

 

 

高校生で学習に必要であれば、スマホで調べ物をしたり、動画を見るのも可能です。

 

ゲーム機や漫画リーダーとして使わなければ、休憩中にスマホをいじるのは問題ありません。

 

友達に返信をしないといけない場合もあるでしょうし、ご家族からの連絡をチェックする場合もあるでしょう。

 

 

 

 

必要なことならやってください。

 

 

ひょっとすると数年前なら私も違うことを言っていたかもしれません。

 

けれど、もはやこの時代に彼らからスマホを取り上げるメリットを感じなくなりました。

 

中学生に積極的にスマホを与える必要もないでしょうけど、 

持っているなら持っているで使いこなせた方がいい。

 

今ではそう思っています。 

『スマホが学力を破壊する』

ただ、スマホの危険性はきちんと啓発しておいた方がいいでしょう。

 

有名なところで『スマホが脳を破壊する』という本では、「脳トレ」で一世を風靡した東北大学の川島隆太先生が、スマホやゲームが脳に与える危険性を指摘しています。

 

 

 

 

 


情報の分断化

 

ただ、スマホの危険性は直接的に学力を左右するだけでない、と最近強く感じます。

本当に怖いのは「情報の分断化」ではないのか、と思うようになりました。

 

例えば、私は1977年生まれなのですが、私が小学生の頃までの1980年代は「みんなで同じテレビを見る」という文化が確かにあったように思うのです。

こんなのとか。

こんなのとか。

こんなのとかですね。

 

テレビはテレビで批判があったと承知していますが、今から思えばテレビを通じて世の中全体で同じ情報を共有していたように思います。

 

その風潮は、多少薄らいだとしても90年代も続きました。

 

音楽シーンでミリオンセラーが連発されたのは、結局、みんなで同じ音楽を聴いていたからと言えます。

 

(懐かしの90年代ミリオンセラー3連発です。このブログをご覧の親御さん世代は全部懐かしいのでは?)


 

それがいいか悪いかは別として、あの時代に比べれば、スマホの登場によって今や個人個人で手にする情報がバラバラになったのは事実でしょう。

 

大人である私たちだけでなく、子供達だってそうです。

 

テレビを見る子どもが減った代わりに、YouTubeを見る子は増えています。

 

塾の中での会話でも、「あのテレビがどうのこうの」より「YouTubeの動画がどうのこうの」と言う話題の方が耳にします。

 

もちろん私には何のことか分かりません。

 

そして、子どもたち同士でも分かっていなかったりします。

 

 

 

つまり、子どもたち同士の間でもそれぞれが得る情報に大きな差があるのです。

 

 

 

 

LINEアプリを開きながら友達とコミュニケーションをとる。

SNSで友達の投稿を見る。

おもしろ画像を見て楽しむ。

ゲームの攻略動画を見る。

カープの試合結果をチェックする。

スマホで本を読む。

ニュースサイトを見る。

 

子どもたちのスマホの使い方も多種多様です。

 

本人の興味関心に従って、それぞれがそれぞれの情報を得ます。

 

 

そうすると、

 

 

 

良質の情報を取り続ける子はスマホによってどんどん成長し続け、

 

くだらない情報を取り続ける子は、スマホが害悪となり続ける・・・。

 

 

 

 

80年代や90年代に比べて圧倒的にそういう状況が起きやすくなっています。

 

 普段何気無く手にしているツールの使い方によって、本人も気がつかないうちに大きな差がつく。

 

 

これが、スマホの危険性の中でも最も大きな危険ではないかと思うのです。

 

 

スマホは使いこなせた方がいいと冒頭で申し上げましたが、 

それは情報の質を意識して、能動的に良質の情報を取りにいくことも含むのです。